あるていどらくにいきたい

生きづらいぼくたちが
なんとか生きていけますように

2014-08-19

追悼:木田元(それから僕の木田さんへの思い出)

ご存知のかたも多いかと思いますが,一昨日,哲学者の木田元さんが亡くなりました。

僕は彼の著作を20歳~25歳頃(H20~25年頃)に,4冊買って,2冊ちゃんと読みました。


最初に読んだのは『現代の哲学』です。


彼がまだ若かったころに書いた『現代の哲学』は難解で,僕の頭が悪すぎて分からないのか,前提知識が足りなくて分からないのか,ひょっとしてコイツは分からせるつもりがないんじゃないのか……とあれこれ思い,半分ほど読んだところで読むのをやめてしまいました。

に読んだのは『反哲学入門』でした。これが抜群に面白かったのですよ。


かなり記憶が薄れていますが,「なぜ哲学が小難しいのか」というかなり常識的な問題意識から出発して,小難しかった「哲学」に対する,小難しくない「反哲学」という概念を示していました。
(本当は哲学史の話を結構していたのですが,記憶が不確かなのと,他の本からの知識が混ざってどこまでが本書の記述か分からないので,ここでは書かないでおきます)


3冊目は,2冊目のあとすぐに読んだ『反哲学史』です。


『反哲学入門』をもう少し掘り下げたいと思って買い,狙い通りほとんど2冊目と同じ内容だったような気がします。似通っているがゆえに,同じ概念を2通りの文脈で教わることができ,なるほど,なるほど,と頷きながら読めました。
こちらは哲学史の側面が強かったような気もしますが,本のタイトルに記憶をひっぱられているだけかもしれません。


4冊目は,『ハイデガー拾い読み』です。



『反哲学入門』と『ハイデガー拾い読み』は,たぶん発売直後の平積みになっているものを買ったような気がしていて,調べてみるとたしかに発売日が最近でした。

ちょっと驚いてしまうのは『ハイデガー拾い読み』が2012年の本(当時 木田さんが82,3歳?)だということです。80歳を過ぎて本を書く,ということに驚いているのではありません。80歳を過ぎてなお,よくもこれだけ平明な文章が書けるなあということです。


司法書士試験受験生の皆様におかれましても,1年中ひたすらテキストだけ読んでいるわけではないと思います。面白い漫画もたくさんありますし,面白小説もたくさんあるのでしょうけど,ここはひとつ,面白くて小難しい本を読んでみてはいかがでしょうか。

オススメは『反哲学入門』です。


これを読んでおけば,木田元オタクみたいな人が「あ~オレ,1980年代から着目してたんだわ」と言い出しても,「うんうん,僕も西洋哲学の身体性に違和感を持ってたんだ」と相槌を打つことができるようになります。また,途中で投げ出すリスクが低い本です(読みやすいので)。

放っておいても出版社が猛プッシュしてくると思うので(プッシュするなら間違いなくこの本なので),たぶん平積みになります。僕も読み返そうと思います。


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申し訳程度に受験生っぽいことを言いますけど,「わかりやすい」「読みやすい」「平明」ということって,凄く多義的な概念だと思います。

僕は結構前に『行政法入門』がすごく分かりやすい旨書いたことがありますが,あれは文章ばっかりです。他方,『会社法がよくわかる講義』のように,図だの絵だのがいっぱいあるものを「分かりやすい」と感じることもあります。

オートマを分かりやすいという人と向田3000を分かりやすいという人がいます。

「分かりやすい」って不思議ですね。ブロガーたる皆様におかれましてはぜひとも分かりやすい教材や分かりやすさの謎について記事にしていただいて,その旨通知していただければと思います。
ブロガーでない皆様におかれましても,ぜひコメント欄なり twitter ( @SHOJIYasuharu ) なりで教えていただければと思います。

(twitterのタイムラインを時々しか見ないので,何か通知されるようなやり方で教えていただけると嬉しいです。というか使い方がわからないです。ちょっと誰か教えてください。 twitter って無限独り言製造機じゃないですよね?)
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